チームラボの猪子寿之が描く未来
数年前に国東半島芸術祭というのが、ぼくの実家の近くであってチームラボは「花と人、コントロールできないけど共に生きる」というテーマで展示会を開いていた。
https://www.teamlab.art/jp/e/kunisakiartfes/
展示会を見た後、豊後高田市で猪子寿之(以下猪子)がトークイベントを開催していたので行ってみたのだけど、国東半島は「陸の孤島」と言っていたのが印象的だった。「気持ちよすぎる」とも言っていたけど、ちょうど春の陽気が心地よい季節だったのでそう感じたのだろう。
たしかに自然と人があたかも調和したかのような空間は気持ちがいい。
自然は人が人工的に作り出したものだということも強調していたが、コントロールされてない自然はもはや日本では無人島くらいしかないのかもしれない。
猪子という男を知ったのはもう7年くらい前だけど、TEDでスーパーマリオの平面図について語っていたのが面白かった。
全力教室や情熱大陸といったテレビ番組にも出演しているのでご存知の方もいるのではないだろうか。
アナザースカイではシンガポールに行っていたけど、ぱっと見、渋谷のクラブにいそうな感じ。いろいろ誤解を受けそうだけど、実はハンパじゃなく賢い。
ギャップが面白いのかもしれないが、ドワンゴの川上量生のように思考能力がずば抜けてスゴイのだと思う。
東大に入るときにセンター試験はギリギリで2次試験は余裕だったらしいし、人並み外れた能力を持っているのは確かだろう。
豊後高田市であったトークイベントでは10メートル以上離れた所から見ていたのだけど、その人が持っているオーラがすごくて存在感が圧倒的だった。
ちょうどチームラボのメンバーが目の前に座っていたのだけど、ウルトラテクノロジスト集団らしく講演を聞きながら、IpadやノートPCで仕事をしていた。
チームラボの代表の猪子はカリスマと言っていいくらいメンバーから慕われているようだったし、会社の顔としてメディアに今も出続けている。
チームラボは組織がフラット。代表のデスクも社員と同じ場所だ。猪子が大学の延長線上に会社があると語っていたのが印象的だった。
通常、会社というのは縦割りのトップダウンで意思決定を行うが、猪子はフラットな組織でプロジェクトごとにチームを組んで受注した仕事をこなすのだと語っていた。
チームラボにはプログラマーやシステムエンジニアの他に数学者や建築家、絵師など多様な人たちが集まっていて様々なプロジェクトに対応できるのだという。
京セラの稲森さんが提唱する「アメーバ経営」に近い組織だろうか。猪子は利益は度外視しているようだが、なんとなくそれで上手くいっているのか、すご腕の経理がいるのか、それは知らないが今まで見たことないような新しい組織だ。
アメリカで工場の作業員から社長まで同じ給料で、株式を共有して利益を上げているという会社があったが、これからの会社の未来はフラットな組織が主流になっていくのかもしれない。
縦割りでトップダウンはもはやポストモダンの時代には古いし、日本人は本来ボトムアップでやってきたのでフラットな組織が主流になったら面白いかもしれない。
東京オリンピックで「観戦」するオリンピックから「参加」するオリンピックへシフトチェンジしようとしているチームラボ。
これからのチームラボのチャレンジから目が離せない。